ジフェニル

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読み方・表示名ジフェニル・DP・ビフェニル
使用用途防カビ剤( 主に柑橘類の輸入の際に使用される。船で輸送されてくる輸入柑橘類の搬送中の腐敗やカビの発生を防ぐ。)
使われている主な食品輸入フルーツ( オレンジ・レモン・グレープフルーツ )
使われている主な製品
毒性腎臓への影響が認められている

最初の輸入果実用、防カビ剤

欧米で広く使われている柑橘類用の防カビ剤で、合成法作られています。ポストハーベスト農薬として開発されました。

OPP、OPP-naや、TBZなどの防カビ剤との違いは、使用方法にあります。他の防カビ剤は、果実に直接吹きつけたり、溶液に漬けたりすることで効果を発揮しますが、ジフェニルはちょっと違います。

貯蔵と運搬の時にジフェニルを染み込ませた紙片を柑橘類を入れた容器に入れ、徐々に昇華することで効果を現します。それ以外の使い方は認められていません。

ジフェニルは1971年3月 日本で最初に防カビ剤が食品添加物として認められました。直接果実に添加するわけではないので比較的安全だと考えられたようです。

この時の改正では、ジフェニルを使用した場合は、その容器包装などに「 ジフェニル含有 」「 ジフェニル使用 」と表示を行うように指導されました。

使用可能な柑橘類はグレープフルーツ、レモン、ワシントンネーブルオレンジ、トロピタオレンジ、バレンシアオレンジ、福原オレンジなどで、温州みかん、夏みかん、はっさくは該当しません。
( ということは、国内でも使用できるということです。 )

ppmってどれくらい?

食品添加物や農作物の残留農薬、大気中の汚染物質の話題になると必ず出てくる単位に「ppm」というものがあります。どのくらいの量で何の単位だか知っていますか?

私は、原発の問題が多く取り上げられた頃に、なんとなくのイメージでしかわかっていませんでした。

ppmは英語で「 Part Per Million 」( パーツ パー ミリオン )つまり、100万分の1を表します。一定の量に対する割合なのです。

広さに置き換えると、東京ドームの中に官製はがき1枚の広さが1ppmです。

さらに最近の技術ではppmよりもさらに小さい単位まで測定できるようになりました。

  • ppb…( パーツ パー ビリオン )10億分の1
  • ppt…( パーツ パー トリリオン )1兆分の1

ごく稀に( パーツ パー サウザンド )1000分の1の場合があるので注意!

では、実際どのようにして添加量を検査しているのでしょうか?ジフェニルの試験は、

  • HPLC-FL( 蛍光検出器付き高速液体クロマトグラフ )
  • LC/MS( 液体クロマトグラフ / 質量分析計 )

と言われる装置を使って行われます。この装置は両方ともカラム分離という方法で成分( 有機化合物 )の検出・計測を行います。

カラムという容器に液体サンプルを入れると、サンプル中の各成分はカラム内で高圧になることで、きれいに分離します。

簡単に説明すると、次のような流れです。

試験溶液( 対象の果実から20gを採取→酢酸エチルで抽出 )

HPLC-FLで測定( カラム温度40℃ )

LC/MSで確認( カラム温度40℃ )

※純度の高いジフェニル( ジフェニル99%以上 )から標準溶液を作り、それを元に作られた検量線と果実から抽出した測定データを比較します。

この試験によってジフェニルの残留料を計測し、定めれた基準値を超えていないかをチェックします。

近年、ジフェニルは耐性菌が見られるようになり、あまり使われなくなってきているようです。

-この食品は大丈夫!?危険度チェック

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