ビール酵母って、あのビール?

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ビール酵母とは

だいぶ昔の話になりますが、ドラッグストアで「酵素」商品を探していた時に、「ビール酵母」と書かれた商品を見つけました。驚いたのはその価格。大きな瓶にたっぷり(2000錠!)の錠剤が入っていて、2000円弱!Amazonでは1,869円

しかも、消化を助けてくれたり豊富な栄養素(タンパク質も)入っています。

これは酵素商品と似ているのだろうか?と、管理人こぶたは疑問と興味を持ちました。しかも大好きな「ビール」。酵素っぽい「酵母」。しかし「ビール酵母」となると、のどのようなものなのか、詳しい効果もちゃんとは知りませんでした。

このページではその「ビール酵母」について紹介したいと思います。

酵母って何?

ビール酵母とは、麦を発酵させてビールを醸造する際、発酵を促すのに必要な菌のことを言います。

パンを発酵させるのに欠かせないイースト菌も酵母の一種で、イースト(yeast)という言葉そのものに酵母という意味があるそうです。

酵母には、糖質やたんぱく質などを分解し、違う成分を生み出す働きがあります。

菌と言うと何やら体によくないイメージを持つかも知れませんが、ヨーグルトに含まれる乳酸菌や、漬物に使う麹菌などは体によい菌として知られています。酵母もそれらと同じ菌類です。

ビール酵母は糖を分解して、アルコールと炭酸を作り出します。ビールのしゅわしゅわとした泡は、酵母菌によって作られるものです。(この辺りはビールメーカーの工場見学でも勉強できます)

酵母にはビール酵母、ワイン酵母、日本酒(清酒)酵母のように多くの種類があり、用途によって分けて使われます。

ビールにビール酵母は含まれない?

ビール酵母の力によって発酵が始まり炭酸とアルコールができると、ビール酵母はその役目を終え、ろ過して取り除かれるのが一般的です。

酵母が含まれたままだと、どんどん発酵が進み、味わいが変わってしまうのがその理由です。そのため、市販のビールの多くにはビール酵母が含まれていません。

ただし近年はビール酵母の健康効果が注目されるようになったこともあり、ビール酵母入りのビールも見かけるようになりました。特に地ビールにはビール酵母が含まれたままのものが多くあります。

発酵後のビール酵母の行方

ろ過して取り除かれたビール酵母には、まだまだたくさんの栄養成分が残っているため、そのまま捨ててしまうのはもったいないです。

そこで大手ビールメーカーでは、ビールの風味や味わいは一定に保ちつつ、ビール酵母を使ったサプリメントや健康商品などの販売などを展開しています。確かによく見かけるエビオスはAsahiの商品ですね。

ビール酵母の栄養成分

ビール酵母には、体内で生成ができないため食物から補う必要のある「必須アミノ酸」を始め、アミノ酸の結合によって生成されるたんぱく質が含まれています。

また、ビタミンB群(ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、パントテン酸、葉酸など)や、ミネラル(カリウム、カルシウム、マグネシウム、マンガン、リン、銅、鉄、亜鉛、セレンなど。ただし、食品メーカーによって多少異なります)も多く含まれています。

さらに、ビール酵母の細胞壁は「マンナン」と「グルカン」という多糖類が主成分。多糖類とは単糖が複数結合した状態のものを言いますが、難消化性という特徴があることから食物繊維と似た働きをすることがわかっています。

酵母と酵素の違い

「酵母」とよく似た「酵素」。

酵素はダイエットや美容に良い為とても人気がありますが、酵母は書いて字の如く「酵素のお母さん」的な存在です。

加齢によって体内の酵素が減ると、生きていくために重要な「消化酵素」として優先的に使うため、代謝酵素の割合が減って太りやすくなると言われています。(代謝酵素は消化・吸収によって得た栄養をエネルギーに変換し、細胞の新陳代謝を促す働きを行う)

そこで酵素の浪費を節約し、酵素の材料となる栄養素を積極的に摂ることで代謝酵素に使われる分量を増やし、ダイエットや美容に役立てるのがこのサイトの目的でもあります。

ただし、酵素はそれ自体が生き物ではありません。酵素はたんぱく質の一種で、化学反応を促す物質(触媒と言います)に位置付けられています。

一方の酵母は、1つの細胞からなる(単細胞)微生物です。肉眼では見えないほど小さいですが、酵母は多くの酵素を作り出すため、酵母を摂ることで酵素を摂ることにも繋がります。

ビール酵母の効果

ダイエット効果

ビール酵母に含まれているビタミンB1やビタミンB2には、糖質や脂質のエネルギー代謝を促す働きがあり、脂肪としてため込んでしまうのを防ぐ効果が期待できます。

また、ビール酵母に多く含まれるアミノ酸はたんぱく質の原料となるものです。たんぱく質は、筋肉や皮膚、髪、内臓など体のあらゆる部分に使われる成分ですが、食事制限によるダイエットでは不足してしまいがち。

たんぱく質の摂取が減ると、筋肉量が少なくなって基礎代謝が下がって太りやすくなってしまいますが、ビール酵母を摂ることで必要なアミノ酸が補えるので、筋力低下を防いで痩せやすい体を作ることが出来ます。

便秘解消

ビール酵母に含まれるマンナン、グルカンは食物繊維ではないものの、食物繊維に似た働きをする多糖類です。

多糖類は人の消化酵素では消化されないため、そのまま腸まで届き、ネバネバとした粘性によって便を包んで腸内をスムーズに移動して排便を促します。

また、胃や腸で水分を吸って膨らむため、大きくなって腸壁を刺激し、蠕動運動を活発にする働きもあります。

免疫力の向上

マンナンやグルカンには、腸のNK(ナチュラルキラー)細胞やマクロファージなどの免疫細胞の働きを活性化させる作用があることから、風邪やインフルエンザなどの感染症の予防に役立つと言われています。

美肌・美髪効果

ビタミンB群には、皮膚の修正や再生を促す働きがあり、肌の調子を整える効果が期待できます。

また、アミノ酸やたんぱく質は皮膚や髪の元となる成分です。これらをしっかりと補給することで、ハリやツヤのある肌や髪が作られやすくなります。

疲労回復

ビタミンB群によって糖質や脂質の代謝が活発になると、エネルギー産生が増えるので疲労の回復スピードが高まります。

また、アミノ酸が内臓や筋肉、血液などの生成を促すことも疲労回復に役立ちます。

この他に、胃や腸の働きを整えることで食欲の増進の効果も期待できます。

コレステロールや血糖値の上昇を抑える

マンナンやグルカンには、コレステロールの合成を抑える働きや、食後に血糖値が上がるのを抑える働きがあります。

ビール酵母の摂り方

ビール酵母を摂るには、サプリメントか粉末を利用するのが一般的です。

ただし、どちらもビール酵母独特の香りや苦みがあります。特に粉末は口に残りやすいので、飲みにくさを感じる人も少なくありません。

そこで、粉末のビール酵母を摂る際にお勧めなのがヨーグルトです。ヨーグルトに混ぜることでビール酵母の味や香りがマイルドになり、食べやすくなります。

それでもまだ気になるという場合は、少量のはちみつやジャムなどを足してもよいです。ヨーグルトには、ビール酵母と同じ微生物の仲間である乳酸菌も含まれているので、便秘解消などの相乗効果が期待できます。

ビール酵母入りのビールもある

ビールの中にはビール酵母を取り除いていないものも販売されています。

国産のビールでは、地ビールにビール酵母がそのまま含まれていることが多いです。

また、海外産であればドイツやベルギー、イギリスのビールはビール酵母を含んでいるものが多いようです。

ビール酵母を含むビールは、通常日本で見るような透明ではなく、濁った色をしています。なお、ビール酵母は底に沈殿しているので、飲む時には瓶を回して底に溜まったビール酵母を浮かせるようにして飲みます。

妊婦さんや子どもも摂取OK

市販されているビール酵母のサプリメントや健康食品にはアルコール分が含まれていないので、妊婦さんや子供さんでも摂取が可能です。

アレルギーに注意

ビール酵母には原料となる麦(大麦)が含まれているため、麦アレルギーの方が摂取するとアレルギー症状を引き起こすことがあります。

尿酸値の高い方も注意

ビールにはプリン体と呼ばれる成分が含まれていますが、プリン体を多く摂取すると体内に蓄積して痛風などの原因になることがあります。

健康診断などで尿酸値が高いと言われている人は、ビール酵母の摂取に注意しましょう。

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