ビタミンについて

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ビタミンとは

体に必要な栄養素であることは知っていても、詳しいことはよくわからないという人が以外と多いのがビタミンです。

また、ビタミンは種類が多いので、何をどれだけ摂るべきなのかが見えにくい面があるのではないでしょうか。

健康や美容のためにビタミンを摂るなら、どのような働きをしているのかをきちんと知っておく必要があります。

そこで今回は、ビタミンの基礎知識についてご紹介したいと思います。

5大栄養素の一つ

ビタミンは、炭水化物(糖質)、たんぱく質、脂質に次いで、人に必要とされる栄養素です。

炭水化物、たんぱく質、脂質と共に有機化合物に属します。なお、有機化合物とは炭素を含む化合物のことを言います。

補酵素の役割を果たす

5大栄養素のうち、炭水化物、たんぱく質、脂質は、摂取後体内にてエネルギーに変換され、生命活動を維持するために利用されますが、ビタミンは摂取しても直接エネルギーとして活用されることはありません。

しかし、糖質などからエネルギーを得たとしても、エネルギーを消費するには酵素と補酵素の働きが欠かせません。

補酵素は、単体では働くことができない酵素の働きを補う存在なのですが、その補酵素こそがビタミンの役割です。

ビタミンの歴史

日本では、ビタミンは長く医薬品として取り扱われており、錠剤やカプセル状のビタミンはビタミン欠乏症などの症状が現れた時に摂るものとされていましたが、1990年代の規制緩和により、「マルチビタミン」などの名称でコンビニなどでも気軽にビタミン入りのサプリメントなどを購入することができるようになりました。

そのため、ビタミンは現代人にとっては身近な栄養素の一つと言えますが、一方で身近でありながら詳しい実態はよく知られていないのが現状です。

ビタミンは、最初に発見された1912年に、「生命(vita)に必要なアミン化合物(amine)」という意味から名付けられ、vitamin=ビタミンとなりました。

由来からもわかる通り、ビタミンは発見時から人にとって必要不可欠なものだと認識されていますが、それには次のような経緯があります。

脚気の流行

軍隊や学生の間で脚気(末梢神経障害を起こす疾患)が多発し、海軍軍人であり医学博士であった高木兼寛が、これを特定の栄養不足によって引き起こされるものと提唱しました。

しかしこの段階ではまだ、不足しているのがビタミンだとはわからず、その後オランダの生理学者エイクマンによって、白米で飼育された鳥類が脚気のような症状を起こすことが判明し、米ぬかを与えると症状を改善させることがわかりました。

さらに、1910年になると農芸化学者の鈴木梅太郎が、米ぬかから脚気の改善や予防に役立つ新しい栄養成分を抽出することに成功し、これを「オリザニン」と名付けました。

そしてその翌年にポーランドの化学者フンクが同様の研究発表において、これをビタミンと名付け、世界的にはこちらの名前が普及していきました。

大航海時代に恐れられた壊血病

米ぬかに含まれるビタミン(ビタミンB1)が発見される以前、15世紀から17世紀にかけての大航海時代には、ヨーロッパからアフリカやアジアを航海する船員が次々と壊血病(倦怠感からやがて皮膚や粘膜、歯茎からの出血、重度の貧血、免疫の低下などが起こる病気)で200万人もの船乗りが亡くなりましたが、これは航海中の新鮮な果物や野菜の不足によるものだとわかりました。

さらに1920年になると、イギリスの化学者であるドラモンドが、壊血病の予防や改善に役立つ成分の抽出に成功し、これをビタミンCと呼ぶことを提唱しました。

ビタミンは物質名ではない

ビタミンは、糖質やたんぱく質などとは違い、それ自体が一つの物質を表す言葉ではありません。

ビタミンはその機能ごとにビタミンA、ビタミンBにようにカテゴリーを分け、それぞれに合った働きをする化合物によって分類されています。

ビタミンの種類

現在発見されているビタミンは13種類です。

  • ビタミンA
  • ビタミンB1
  • ビタミンB2
  • ビタミンB12
  • ビタミンB12
  • ビタミンC
  • ビタミンD
  • ビタミンE
  • ビタミンK
  • 葉酸
  • ナイアシン
  • パントテン酸
  • ビオチン

※( )内はそのビタミンの化合物の名称です。

さらに、これらのビタミンは水に溶けやすい、溶けにくいといった性質の違いから、水溶性ビタミン、脂溶性ビタミンに分けられます。

「ビタミンB10」などがない理由

ビタミンは発見された順に「脂溶性A」「水溶性B」「水溶性C」のように名付けられていきましたが、「水溶性B」は後に一種類の化合物ではないことがわかったため、B1、B2と言った具合にアルファベットの横に小さい数字を振って区分けしていきました。

また、ビタミンFはその後に脂肪酸の一種であることがわかり、ビタミンから除外されています。

このように、ビタミンには一度は名づけられたものの、その後の研究で作用が重複していたり、実際に謳われているような効果がないことがわかったため欠番となっているものも数多くあります。

なお、ビタミンKは発見された順ではなく、凝固という意味があるkoagulationというドイツ語が由来となっています。

ビタミンの種類別による働き

ビタミンは種類によって体内での働きが異なり、化合物に違いがあります。また、不足すると現れる症状もそれぞれに違います。

せっかくビタミンを摂るなら、体が今必要としているものをピンポイントに摂りたいです。

そこでここでは、ビタミンを種類別に詳しくご紹介したいと思います。

ビタミンA

  • 脂溶性ビタミン。
  • ビタミンAに区分される化合物には、レチノールやレチナール、α-カロテン、β-カロテン、クリプトキサンチンがある。
  • ビタミンAが多く含まれる食品は、レチノール含有量とβ-カロテン含有量によって分かれており、レチノール含有量が多いのはレバーやうなぎ、バター、チーズなどで、β-カロテン含有量が多いのはにんじにゃかぼちゃ、ほうれん草、小松菜などの緑黄色野菜など。

ビタミンAは、皮膚や粘膜を正常に保ったり、暗い場所で目が慣れて物が見えるようになる働きに関わっています。

通常の食生活で極端に不足することは稀ですが、過激なダイエットなどでビタミンAが不足すると、暗いところで目が見えなくなる“とり目”の症状が起こったり、喉や鼻の粘膜が乾燥しやすくなって風邪などの細菌やウイルスが体内に侵入しやすくなります。

化合物のα-カロテンとβ-カロテンは、体内に入ると必要な量がプロビタミンAという成分に変換されます。

なお、ビタミンAは脂溶性ビタミンのため、体内での吸収率を上げるには油と炒めるのがよいです。

ビタミンB1

  • 水溶性ビタミン。
  • ビタミンB1に区分される化合物はチアミン。
  • ビタミンB1が多く含まれている食品には、豚肉や豆類、レバーなどがある。

ビタミンB1は、糖質をエネルギーに変換する際に必要となる成分です。また、糖質を唯一のエネルギー源としている脳の機能を正常に保ち、皮膚や粘膜の健康を維持する働きもあります。

昔、日本で脚気が国民病と言われるまで流行した原因は、それまでの玄米食から白米へと食生活が変わったためだと言われています。玄米ではビタミンB1が多く含まれる胚芽を食べますが、白米は排除してしまうのがその理由です。

なお、現代人のインスタント食品に偏りがちな食事もビタミンB1の不足を起こしやすいと懸念されています。

ビタミンB1が不足すると、体内のエネルギーが足りなくなって倦怠感や食欲不振などの症状が現れやすくなり、症状が進むと脚気やウェルニッケ・コルサコフ症候群(中枢神経疾患)などを起こしてしまいます。

ビタミンB2

  • 水溶性ビタミン。
  • ビタミンB2に区分される化合物はリボフラビン。
  • 卵や牛乳、納豆、落花生などの豆類、レバーなどに多く含まれるが、体内に貯蔵しておくことができないため、毎日の食事で意識して摂ることが必要。

ビタミンB2は、脂質とエネルギーに変換する際に必要となる成分です。また、皮膚や粘膜の健康を維持したり、髪や爪の成長を促す働きがあります。

ビタミンB2が不足すると、口内炎や口角炎、肌荒れ、ニキビなどのトラブルが起こりやすくなる他、子どもの場合は成長障害に陥る可能性もあります。

ビタミンB2は加熱調理には強いものの、光に弱い性質があるので食品を保存する時は日光を遮るように工夫が必要です。

ビタミンB2は水溶性ビタミンのため、水に溶けだしやすいので、煮物などに使用した時は煮汁ごと頂くのがお勧めです。

ビタミンB6

  • 水溶性ビタミン。
  • ビタミンB6に区分される化合物はピリドキサール、ピリドキシン、ピリドキサミン。
  • ビタミンB6は比較的多くの食品に含まれているが、中でもかつおやまぐろ、さんまといった魚類や、レバーや鶏肉、バナナなどに多く含まれている。

ビタミンB6はたんぱく質の代謝に関わっており、筋肉や血液、内臓、皮膚、髪、爪などが作られる時に働きます。

ビタミンB6活性の化合物であるピリドキサール、ピリドキシン、ピリドキサミンは、体内でたんぱく質と結合する際にリン酸化し、PNP、PLP、PMPという補酵素型に変換されます。中でもPLPは体内ほぼすべてのアミノ酸の代謝や、神経伝達物質などの代謝に関わっていると言われています。

ビタミンB6は食品からの摂取以外に、腸内細菌によって一部生成されるため、不足することは稀だと言われていますが、長期間抗生物質を投与していた場合には欠乏症になる恐れがあると指摘されています。

万が一ビタミンB6が不足してしまうと、口内炎や口角炎、貧血などの他、脳波の異常、うつ状態、錯乱、痙攣による発作などが起こる場合があります。

また、皮膚に日光が当たった部分に発疹や水疱などができる皮膚炎を発症することもあります。

ビタミンB12

  • 水溶性ビタミン。
  • ビタミンB12に区分される化合物はコバラミン。
  • さんまやいわしなどの魚類やレバー、あさりなどの貝類、チーズや卵などの乳製品など動物性食品に多く含まれている。

ビタミンB12には、葉酸と共に血液中のヘモグロビンの生成を助けたり、神経の機能を正常に保つ働きがあります。

貧血の主な原因には鉄分の不足が挙げられますが、ビタミンB12や葉酸が欠乏すると骨髄内で生成される赤芽球がDNA合成の障害によって巨赤芽球となり、巨赤芽球貧血という悪性貧血起こすことがわかっています。

ベジタリアンやヴィーガンといった菜食主義者の方や、胃や腸を手術で切除した方は、ビタミンB12の吸収が少なくなってしまうため注意が必要と言えます。

また、ビタミンB12活性の化合物であるコバラミンは大きく分けて4種類があり、その中でも活性型と言われるメチルコバラミン(メコバラミン)には末梢神経の修復作用があると言われており、腰痛や肩こりの改善に役立つと言われています。

ビタミンC

  • 水溶性ビタミン。
  • ビタミンCに区分される化合物はアスコルビン酸。
  • 果物(特に柑橘類)や野菜(特にピーマン)に多く含まれている。

ビタミンCは、美容によい成分として有名です。

これは、ビタミンCには強い抗酸化作用があるためで、活性酸素による肌の老化を抑えることができるのが主な理由です。

また、ビタミンCは肌のハリやキメを整えるために必要なコラーゲンの生成にも関わっているため、意識して摂取することによって肌の状態を健やかに保つことができると言われています。

なお、ビタミンCは美容だけではなく、皮膚や粘膜の健康を保ち、血管をしなやかにする働きがあることから、動脈硬化や高血圧といった生活習慣病の予防や改善にも効果があると言われています。

さらに、人はストレスを感じるとそれに対抗するために副腎という器官でホルモンを生成しますが、そのホルモンの材料となるのがビタミンCです。不足すると、風邪などの感染症や生活習慣病になるリスクが高くなったり、ストレスに対する耐性が低下して心身に様々な影響を与えると言われています。

ビタミンCは加熱に弱く、水に溶けやすい性質があるため、摂取する時はなるべく生のままの状態で摂るのがよいでしょう。

サプリメント国であるアメリカは、予防のためではなく、風邪ウイルスと戦う程の意識なのか、ビタミンCを過剰に摂る「攻めのビタミン」と言う考えがあるそうです。

ビタミンD

  • 脂溶性ビタミン。
  • ビタミンDに区分される化合物はエルゴカシフェロールとコレカシフェロール。
  • ビタミンDはきくらげや干ししいたけ、塩鮭、しらす干しなど限られた食品に含まれているが、日光を浴びることでも体内での生成が可能。

ビタミンDには、カルシウムとリンの吸収を促し、骨や歯などを丈夫にする働きがあります。

ビタミンDはD2からD7までの6種類の化合物から成りますが、D4からD7は食品中にほとんど含まれず、活性も低いことからビタミンDと言ったら主にビタミンD2(エルゴカシフェロール)、とビタミンD3(コレカシフェロール)となり、この2つは人においてほぼ同じ働きを行います。

ビタミンDは一般的な生活を営んでいる場合には不足することはほとんどありませんが、外出する機会の少ない高齢者などはビタミンDが不足する可能性があり、カルシウムの吸収が低下することによって骨の軟化や骨粗しょう症のリスクが高まります。

なお、ビタミンDの摂取量の目安は成人で男女ともに5.5㎍です。

ビタミンE

脂溶性ビタミン。

ビタミンEに区分される化合物はトコフェロール。

ナッツ類やアボカド、植物油、うなぎなどに多く含まれている。

ビタミンE(トコフェロール)には、α、β、γ、δの4種類がありますが、このうち人の体に最も強く作用するのはα-トコフェロールです。そのため、厚生労働省が定める「日本人の食事摂取基準」では、α-トコフェロールをビタミンEとしています。

ビタミンEには、ビタミンCと同様に抗酸化作用があり、特に血管の状態を健やかに保つ働きに優れていることから、生活習慣病の予防や改善に役立つと言われています。

通常の食生活でビタミンEが極端に不足することはないと言われていますが、未熟児の場合には赤血球が壊れやすくなり、貧血を起こす場合があると言われています。

ビタミンK

  • 脂溶性ビタミン。
  • ビタミンKに区分される化合物はK1(フィロキノン)と、ビタミンK2(メナキノン)。
  • ビタミンK1は緑黄色野菜や海藻類、ビタミンK2は納豆に多く含まれており、人の腸内細菌でも生成が可能。

ビタミンの中でもビタミンKは聞き馴染みがなく、どのような働きを持っているのか知らない方が多いかも知れません。

ビタミンKの働きには、出血した時に血液を凝固させる、ビタミンDとともに骨や歯のカルシウム沈着を促す作用があります。

生まれたばかりの赤ちゃんにビタミンK入りのシロップを飲ませるのは、消化器官や頭蓋骨からの出血を防ぐためです。

なお、ビタミンKの一日の摂取量の目安は男女ともに150㎍ですが、2015年の厚生労働省の調査(国民健康・栄養調査)では、男性248㎍女性236㎍となっており、必要量は十分に摂取していることがわかります。

抗生物質を長期間服用している方は腸内細菌が少なくなってしまい、ビタミンK不足になる可能性があります。

葉酸

  • 水溶性ビタミン。
  • ビタミンB群に属す。
  • レバーやほうれん草、モロヘイヤ、枝豆、パセリなどがあるが、元々の含有量がそこまで多いわけではない上、水溶性のため加熱調理によって多くが失われてしまうため摂取の際は注意が必要。

葉酸はDNAの核酸を合成するために必要な栄養素であり、たんぱく質の材料となるアミノ酸の生成や、赤血球を増やす働きがあり、妊娠を希望している、もしくは妊娠初期の女性が積極的に摂取すべき栄養として知られています。

葉酸が不足すると、ビタミンB12欠乏時に起こりやすくなる巨赤芽球貧血や、胎児の発育不全の一つである神経管閉鎖障害が生じるリスクが高まると言われています。

葉酸の摂取については、妊娠中の女性以外は通常の食生活で必要量はまかなえているとされていますが、妊娠中の女性は2倍の葉酸摂取が目安と言われているので、意識して摂取するのがよいです。

ナイアシン(ビタミンB3)

  • 水溶性ビタミン。
  • ナイアシンに区分される化合物は、ニコチン酸アミド、ニコチン酸。
  • 肉類、魚類、豆類、きのこ類などに多く含まれている。

ナイアシンは、食品中に含まれるニコチン酸アミド、ニコチン酸の他に、必須アミノ酸であるトリプトファンからも合成することができ、これらを総称してナイアシンと呼んでいます。

ナイアシンには、糖質、たんぱく質、脂質がエネルギーを産生する際の補酵素としての働きがあります。それ以外にも、脂肪酸やステロイドホルモンの生成、皮膚や粘膜の健康を維持する働きもあることから、アンチエイジングの効果も期待できます。

通常の食生活で不足することはないと言われていますが、不足すると食欲不振や消化不良、皮膚の炎症などが症状として現れるペラグラを発症することがあります。

また、ナイアシンは加熱には強いものの、水に溶けやすい性質のため、加熱調理をした場合には煮汁やスープも一緒に摂るようにするのがよいです。

パントテン酸(ビタミンB5)

  • 水溶性ビタミン。
  • ビタミンB群に属す。
  • ギリシャ語で「どこにでもある酸」という名前が表す通り、肉類、魚類、豆類、乳製品など幅広い食品に含まれている。

パントテン酸は、糖質、たんぱく質、脂質の代謝の補酵素として働きます。また、コレステロールやホルモンの合成にも関係しています。

食事による摂取の他に腸内細菌によっても生成されるため、通常の食事では不足することはありません。

ただし、コーヒーなどカフェインを多く含む飲み物やアルコールをよく摂取する方は、体内でパントテン酸の消費量が増えるため、意識して摂取するのがよいでしょう。

また、酸やアルカリ性(例えば重曹など)と一緒に調理をすると、栄養が失われやすいため調理には気を付ける必要があります。

パントテン酸が不足すると手足の痺れや食欲不振、不眠などが起こると言われています。

ビオチン(ビタミンH)

  • 水溶性ビタミン。
  • ビタミンB群に属す。
  • 肉類、魚類、豆類、野菜、乳製品など幅広い食品に含まれている。

ビオチンはビタミンHとも称されますが、Hはドイツ語の「haut」が語源となっています。

Hautは皮膚という意味で、ビオチンは体内ではたんぱく質と結合した状態で存在し、皮膚や粘膜を健康に保つ、髪や爪の生成などに関わっている他、糖質やたんぱく質、脂質の代謝を助ける補酵素の役割も担っています。

ビオチンは通常の食事で不足することはないですが、生卵(らんぱく)の食べ過ぎや腸内で悪玉菌が優勢になると不足する恐れがあります。

ビオチンが不足すると、脱毛や白髪、皮膚炎などのトラブルが起こりやすくなり、エネルギーの産生量が低下するため疲労感や倦怠感が出やすくなります。

サプリメントによる過剰摂取に注意

ビタミンは、通常の食事による過剰摂取の心配はないと言われていますが、サプリメントで摂取する場合には注意が必要です。

特に、水溶性ビタミンは例えたくさん摂っても、必要のない分は尿に溶け込んで体外へと排出されるため、あまり過剰摂取の心配はありませんが、脂溶性ビタミンは尿と一緒に排出されないため体内に蓄積してしまい、過剰摂取によって様々な症状を引き起こしやすいと言われています。

ここでは、ビタミン別に過剰摂取した場合の注意点をご紹介したいと思います。

ビタミンA

脂溶性ビタミンのため、サプリメントやビタミン剤などで摂り過ぎてしまうと、排出されない分が肝臓に溜まり、肝機能障害を起こす恐れがあります。

また、妊娠を希望する方や妊娠初期にビタミンAを大量に摂ると、胎児への影響が懸念されています。

ビタミンB1

水溶性のため、摂り過ぎても尿となって排出されるため、食品による一日の摂取量の制限は特に決められていません。

しかし、サプリメントの場合、1日に10gのビタミンB1(チアミン酸塩酸)を20日間摂り続けると、頭痛やいらだち、不眠、かゆみなどを起こす恐れがあると言われています。

ビタミンB6

ピリドキシンの大量摂取で神経障害を起こす恐れがあると言われています。

通常の食事ではまず問題はないものの、サプリメントを摂取する場合にはビタミンB6活性の化合物が何であるのか確認するようにしましょう。

ビタミンC

食品でたくさん摂っても尿として排出されますが、サプリメントの場合は過剰に摂取すると吐き気や腹痛などの症状が現れることがわかっています。

また腎機能が低下している方がビタミンCを摂り過ぎると、尿管結石などを起こす恐れがあることも指摘されています。

ビタミンD

摂り過ぎは、高カルシウム血症を起こし、腎臓や血管壁などに多くのカルシウムが蓄積して腎機能障害などを引き起こす恐れがあります。

ビタミンE

脂溶性ビタミンの中でも比較的体内に蓄積しにくいため、食事によってとり過ぎてしまっても害はないと考えられていますが、サプリメントの場合は、出血が多くなったり、骨粗しょう症のリスクが高まる可能性があると指摘されています。

葉酸

食品中に含まれる量が少ないため、通常よりも多く摂取する必要のある妊娠中の女性はサプリメントを利用する場合も多いと思いますが、過剰摂取をすると食欲不振やむくみ、吐き気、じんましんなどの症状が現れることがあります。

また、妊娠中に葉酸のサプリメントを摂る場合は摂取量はもちろんですが、葉酸以外に添加されている成分にも十分に注意するようにしてください。

ナイアシン

過剰摂取は下痢や吐き気などの消化器官系の症状や、肝機能障害を起こす恐れがあります。

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